シロアリの愛が地球を救う?

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私たちの住む日本国では、シロアリは[建物の柱を喰らう][害虫][嫌われ者]のイメージしかありませんよね。でも実際に害をなしているのは僅か4%で大半は自然環境(生態系の中)で重要な役割を果たしています。

特に今回報告された香港大学などの国際研究グループがアメリカ科学誌『サイエンス』(1月10日付)に発表しているのが今地球科学でもっとも関心が高まっていると言っていい「今後の気候変動で起こると予想される熱帯雨林での干ばつの増加」に対応して、シロアリが「生態系を守るのに重要な役割を果たす可能性がある」というものです。

東南アジアのカリマンタン島のマレーシア領にある熱帯雨林でシロアリの調査を実施しました(2015年~16年)。実は2015年は太平洋赤道域東部の海水温が上昇するエルニーニョ現象の影響でカリマンタン島の熱帯雨林は深刻な干ばつに見舞われました。でも16年はエルニーニョ現象が終わって熱帯雨林は通常に戻っています。

15年と16年のシロアリの生息数の比較の結果、干ばつに見舞われた[15年の方が林床のシロアリが数量的に多い]事が確認されたのです。シロアリの生息数が多いと、落ち葉が次々と分解され、土壌中の水分量も多くなり、[種子から芽が出た実生の生存率も高くなっている。]ことが確認され、報告されています。

熱帯雨林に住むシロアリは干ばつを和らげる役割を果たしていたのです。

熱帯雨林の蟻塚

 

 

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