人類はサルから分かれて進化してきました。そして世界中に棲む現生人類(ホモ・サピエンス)は皮膚や瞳の色・体形・体毛等々様々な点に違いがあるのは一目でわかりますよね。でもみんな「同じ種」ですし、ゲノムも98%同じです。
ところがです、トウモロコシも人と同じで全て「同じ種」ですが、数多くの系統に別れているというのです。アメリカ大陸原産ですがご存じのとおり世界各地で生産され「世界3大穀物」の一つに挙げられています。米コールド・スプリング・ハーバー研究所の研究グループによる科学誌「ネーチャー」電子版(6月12日付)への発表によりますと「トウモロコシはそれぞれの系統によって全遺伝子情報(ゲノム)が驚くほど違っている」というのです。研究チームはすでに塩基配列が解読済みのものと、B73(飼料用のトウモロコシの新系統開発に利用されている)系統のゲノムの塩基配列を解読して比較検討しました。その結果「それぞれの系統のゲノムで一致しているのは35%だけ」だったというのです。「トウモロコシ」に比べ「人」のほうが見た目はかなり違って見えるのに、研究グループのドーリン・ウェア博士は「トウモロコシの方が人よりはるかに似ていない(ゲノムからいえば)」といいます。トウモロコシが世界中に広まり栽培されているのはこの「系統ごとに大きく違っていることが、遺伝子の発現調節に大きな影響を与え」ていることが大きいのではないかということです。
ホモ・サピエンスの進化図