最近では定説になったCO2の増加による地球温暖化の進行。これを海水が大気中の二酸化炭素を取り込む(酸性化する)ことで、地球温暖化の速度を減速させていたのです。でもそれは海の生き物にとって死活問題なのです。特に、サンゴや貝類・甲殻類などの躰を造っている炭酸カルシュウムが海水のアルカリ性が低下する(大気から取り込んだ二酸化炭素により海中に酸性の炭酸を放出します)と溶け出し、それらを餌とする魚類等も減っていく懸念があります。
気象庁は地球全体の海洋酸性化の進行状況を「第一回の監視情報」として11月27日発表しました(来年からは毎年発表するとのことです)。それによりますと酸性やアルカリ性の指標つまりPH(水素イオン指数)が通常8.1程度の弱アルカリ性の海面付近が90年から昨年までの間に平均して0.05程度低下しておりIPCC(気候変動に関する政府間パネル)第5次評価報告書の推定より低下のペースが速まっているといいます。このままのペースで海洋酸性化が進めば、海に溶け込む二酸化炭素も徐々に減っていき地球温暖化も加速することになりかねない状況といえるでしょう。